九谷セラミック・ラボラトリーについて
『九谷セラミック・ラボラトリー(通称:CERABO KUTANI)』は製土工場・ギャラリー・体験工房・レンタル工房・外土間を兼ね揃えた、複合型の九谷焼文化施設です。
九谷焼づくりに欠かせない磁器土を60年以上に渡って製造する製土工場が施設内にて稼働。花坂陶石の粉砕から陶土が完成するまで、質の高い磁器土を製造する工程を間近で見学することができます。
趣深い空間に位置するギャラリースペースでは、九谷焼の製造工程を学ぶことができる常設の展示や、新進気鋭の作家たちによる期間限定の作品展示を随時開催。その場で気に入った作品を購入して、九谷焼の未来を担う現代作家を直接支援することもできます。
30人規模で利用可能な体験工房では、ろくろ体験や手びねりでの成形体験、絵付け体験など様々な体験メニュー(一部要予約制)を用意。専門のスタッフによる指導もあるので、どなたでも安心して参加することができます。
若手作家の育成を目的に作られたレンタル工房では、新しい九谷焼の文化を担っていく様子を見学することができます。雄大な自然の景色と田園風景に囲まれた外土間では、来館者の憩いの場として賑わいと繋がりを生む空間を提供いたします。
令和の新しい時代を迎える年、小松市が誇る”石文化”の可能性を探求し、進化を続ける九谷焼の”美”と”技”を体感する場として、『CERABO KUTANI』は誕生しました。
ジャパン九谷を生んだ小松の陶石
明治期に欧米でジャパンクタニと称賛された色絵陶磁器の最高峰「九谷焼」。江戸後期から小松市花坂地区で発見された陶石が「花坂陶石」として用いられており、陶石粉砕から九谷焼陶土ができるまでの昔ながらの各工程が今も残っています。この陶石の存在が多くの人々を魅了する九谷焼作品を生み出す源泉となっているのです。実際、「花坂陶石でなければ真の九谷焼ではない」とこだわる作家も多く、九谷焼に花坂陶石は欠かせません。
江戸後期に陶工・本多貞吉が小松市花坂地区で陶石の鉱脈を発見して以来、およそ200年にわたって、代々の採掘者、土屋たちによって掘り続けられてきました。鉱脈自体は今もなお尽きる気配はありません。
全国的にも希少な陶石の主要産地であることに加え、粘土加工から、素地づくり、上絵付けまでの工程を一貫して同一地域で製作されることが、小松ならではの「九谷焼」の特徴です。
九谷焼きのこれまでとこれから
九谷焼の歴史は350年ほど前に遡ります。明暦元年頃(1655年頃)、加賀百万石の支藩である大聖寺藩内の九谷(現在の石川県加賀市山中温泉九谷町)の地で、鉱山開発中に陶石を発見。大聖寺藩の藩主・前田利治がその地に窯を築き、磁器の生産を開始したが、何故か50年あまりで突如として窯は閉じられます。
この時期に製陶されたものを「古九谷」と呼び、九谷焼の歴史の始まりといわれています。当時を詳しく語る文献が残っていないことから、閉窯の理由をはじめとして古九谷には謎が多く、それがかえって焼き物ファンを引きつける要因の一つになっています。
それから100年ほど後、加賀藩は殖産振興のために金沢・卯辰山に春日山窯を開き、磁器の生産を始めます。その春日山窯の陶工・本多貞吉が、江戸後期の文化8年(1811年)に能美郡花坂村(現小松市花坂町)で良質の「花坂陶石」を発見。文化2年(1805年)から能美郡若杉村(現小松市若杉町)で家業の瓦製造を行なっていた若杉窯の十村・林八兵衛が、春日山窯に留まっていた本多貞吉を招いたことで、若杉に本格的な磁器の窯を築かれ、磁器生産が始まったといわれています。
この若杉窯は、初めて加賀において磁器を量産化し、加賀藩の殖産興業の柱となる窯になります。また「花坂陶石」は、現在も九谷焼の原石として使用される重要な原料となっています。この貞吉の功績は大きく、次々に諸窯を興すことになりました。
その後、南加賀の各地で築窯が相次ぎ、「再興九谷」の時代に突入。古九谷の再興を目指した吉田屋窯、赤絵細描画の宮本窯、金襴手の永楽窯など、様々な作風が打ち立てられ、それらが今日の九谷焼の源流となりました。現在は、伝統の技法を踏まえながら、作家一人一人の創意工夫により、浪漫あふれる新たな九谷焼が日々生まれています。
館内マップ
*アイコンをクリックすると各スペースの詳細が閲覧できます
製土工場
Factory zone
小松市の誇る「花坂陶石」が、スタンパーによって粉砕され陶土(粘土)へとなる実際の工程を間近でご覧いただける、全国で唯一の製土工場です。
受付
Reception
CERABO KUTANIの入口にて、皆様のご来館をお迎えいたします。受付横にはCERABO KUTANIオリジナル商品も販売しています。体験工房の受付とお支払もこちらまでお越しください。
セラボギャラリー
GALLERY / STORE
CERABO Galleryでは、九谷焼の製造工程を学ぶことができる常設展示や、新進気鋭の作家たちによる期間限定の作品展示を随時開催。
その場で気に入った作品を購入して、九谷焼の未来を担う現代作家を直接支援することもできます。
体験教室
Experience workshop
30人規模で利用可能な体験工房です。体験工房では、同施設内の製土工場で製造した花坂陶石の磁器土を使用した、ろくろでの器づくり体験と絵付け体験を行なっております。専門のスタッフによる指導のもと、大人から子供までどなたでも安心して体験いただけます。
石臼
Stone Mill
国内でも最大級の迫力ある陶石粉砕用石臼(いしうす)を展示しています。
レンタル工房1
Workshop Room1
若手作家の育成を目的に作られたレンタル工房では、新しい九谷焼の文化を担っていく様子を見学することができます。
レンタル工房2
Workshop Room2
若手作家の育成を目的に作られたレンタル工房では、新しい九谷焼の文化を担っていく様子を見学することができます。